オススメ度 |
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半田氏は眼科開業医をしつつその多忙の中をぬって雑誌「東静漢方研究所」に約4年にわたり投稿され編纂されたのがこの本である。
彼女自身常々の眼科臨床の経験から「医師は治療に専念しよう」と努力しているが医師は往々にして食養生の知識は持ち合わせておらず、食生活の環境を再度見直す意味も込めて「食養生とは」という視点から眺る、それが執筆のきっかけという。
そこで日本の東洋医学の出発点ともいえる曲直瀬道三が16世紀後半に編纂した書を弟子たちが簡略化し、今で言うポケット版が流行したそうでその流れを汲む「寛永七年=1630年」(作者不明)を紐解き現代語訳と解説を加えたのが本書である。
半田氏は祖父が医師(おそらくは漢方医)であり多分に祖父の影響を受けたようでそれは文章を読んでいても非常によくわかる。
さて本題だが現代語訳の中で、これは彼女のオリジナリティーなのだが 和歌をそのまま訳してもよほど江戸古語に慣れていないとさっぱり雰囲気が再現されない。それは江戸時代から昭和初期まで続いた言葉が生活習慣の変化と共に風化が激く大幅に違うのと、「古語辞典」の類が「平安古語」を基礎として江戸古語は記載されていないので親しみにくい。
それを補うのが<話題>の項であり、半田氏の人間像と共に「祖父からの言い伝え」と「現代食事事情」をわかりやすく説明しているのがとても楽しい。私は医師ではない「祖母」の大阪古語の元で育ったので懐かしく拝読させてもらった。
江戸古語になれていない読者は本文はとりあえずは流し読みで<話題>を通読するだけで非常に味わい深いものが得られ、その後必要な和歌や本文を読まれたほうが良いと思う次第であります。
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半田氏は眼科開業医をしつつその多忙の中をぬって雑誌「東静漢方研究所」に約4年にわたり投稿され編纂されたのがこの本である。
彼女自身常々の眼科臨床の経験から「医師は治療に専念しよう」と努力しているが医師は往々にして食養生の知識は持ち合わせておらず、食生活の環境を再度見直す意味も込めて「食養生とは」という視点から眺る、それが執筆のきっかけという。
そこで日本の東洋医学の出発点ともいえる曲直瀬道三が16世紀後半に編纂した書を弟子たちが簡略化し、今で言うポケット版が流行したそうでその流れを汲む「寛永七年=1630年」(作者不明)を紐解き現代語訳と解説を加えたのが本書である。
半田氏は祖父が医師(おそらくは漢方医)であり多分に祖父の影響を受けたようでそれは文章を読んでいても非常によくわかる。
さて本題だが現代語訳の中で、これは彼女のオリジナリティーなのだが 和歌をそのまま訳してもよほど江戸古語に慣れていないとさっぱり雰囲気が再現されない。それは江戸時代から昭和初期まで続いた言葉が生活習慣の変化と共に風化が激く大幅に違うのと、「古語辞典」の類が「平安古語」を基礎として江戸古語は記載されていないので親しみにくい。
それを補うのが<話題>の項であり、半田氏の人間像と共に「祖父からの言い伝え」と「現代食事事情」をわかりやすく説明しているのがとても楽しい。私は医師ではない「祖母」の大阪古語の元で育ったので懐かしく拝読させてもらった。
江戸古語になれていない読者は本文はとりあえずは流し読みで<話題>を通読するだけで非常に味わい深いものが得られ、その後必要な和歌や本文を読まれたほうが良いと思う次第であります。