仏教を紹介する本は数多にあるが、真に仏教を理解するにはやはり「お経」を直接紐解くよりまさる道はない。大乗仏教なら、仏教の本質たる「空性」をコンパクトにまとめた『般若心経』そして諸経の王と呼ばれ、大乗仏教の全てがあるといっても過言ではない『法華経』は必ず押さえておきたい「お経」である。本書は、私のような娑婆世界の凡夫でも『法華経』全二十八品を最後まで読み切ることができるように様々な工夫が凝らされた現代語訳である。漢訳経典において、くどくて読みにくく感じるところは大胆にカットされているが、難解でも理解すべき言葉は省かれず、丁寧な注釈が施されている。経典の全訳なのでボリュームがあるが、大乗仏教の世界を理解したい人なら、ぜひ体当たりで挑戦して欲しい一冊である。
法華経の入門書としても解説書としても、そして日蓮仏法の入門書としても最適であると断言してよいでしょう。内容は広く深く、そして特定の宗派の宣伝となっていないので、誰にでも違和感なく読み進めることが出来る良書であると思います。
この本は法華経という、仏教のなかでも重要な位置を占める教典についてその全体像をわかりやすく表現している。法華経の精神や一部についての解説を試みた本は数多くあるが、この本のように全部を現代日本人に理解できる言葉で書き著したものはないのではないだろうか。法華経をどのように理解し、自分自身に取り込んでいくのかは読者に委ねられている。宗教を離れて、日本人の生活に根ざしている仏教的ものの考え方を整理するのにも役立つ、座右に置く教養書としては最適な一冊である。 |
このページの情報は 2006年12月25日16時43分 時点のものです。 |