源氏物語といえば,ずいぶんたくさんの翻訳(現代語訳)が読めるようになった.インターネットでも何種類か読むことができる.そんな中で,この翻訳は学者の訳したものだから,きっと精確なんだろう(と思う).最初に訳されたのは昔のことらしいが,それを現代仮名遣いに改め,句読点を打って,改行なども加えて,読みやすくしたのが本書だ.冷静な,抑えた訳文がいい.本卷は,源氏の明石落ちから大復活まで.草ぼうぼうになって,子供達が牛馬の放牧に来るようになった末摘花の屋敷の様子(蓬生)には,大笑い間違いなし!紫式部も書きながら笑っていたに違いない.もっとも,本卷の最大の焦点は,意気消沈しながらも,しっかり明石の上を見初めたところである.複雑な心境の紫の上の今後が気なるかたは!,第三巻へGO! |
このページの情報は 2006年12月25日16時43分 時点のものです。 |