お関は、高級官氏・原田勇の望まれて結婚しますが、身分違いの結婚であったため冷遇されます。
潔くってすがすがしい。ワガママだけど、腐ってない。なんとも「男前」な作風。女流作家の作品というと、ドロドロ、ウジウジ、情念渦巻く愛憎劇を想像してしまうけれど、一葉は本当にクール!!要るか要らないか、マルかペケか、0か100か。登場する女もクールなら、展開もクール、終わり方もクール。残酷なほど、冷たい。でも、コレが女の本性ですよ。ところで、まさか樋口一葉を藤沢周や篠原一が訳すなんて、だれも考えつかなかった。でもこれは正解。原典に忠実かどうか、時代考証がどうの、という問題ではないのだ。いつまでも男性至上的で保守的な当時の社会をまるで小バカにしたような最高にクールでスマートな一葉の作品を、いま同じ感覚で読みなおすためには、同じようにクールで新人類的センスを持った若い才能が必要なのだから。 |
このページの情報は 2006年12月25日16時43分 時点のものです。 |