イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタの紹介 : 現代語訳の本

イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

人気ランキング : 33856位
定価 : ¥ 660
販売元 : 光文社
発売日 : 2006-10-12

価格:¥ 660
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オススメ度

時は19世紀後半。帝政ロシアも大改革の時代を迎えている。語り手である貴族は嫉妬から妻を殺した。ありふれた話だ。だが主人公が妻殺害に至る理由の分析は普通でない。原因は結婚制度自体にあるというのだ。女性が男性の従属物であることを正当化するのが結婚という制度という主張は半世紀前ならあまりにも道義的な主張に思え、時代遅れにも見えただろう。しかし時代が作品に追いついてきた。女性が経済力をつけて自立できるようになったのだ。にもかかわらず、一夫一妻性は維持されている。男女平等がリアリティを持つ時代ならともかく、全く非現実的な時代(女性は政治的にも経済的にも無権利だった)に婚姻制度の本質を見通すトルストイの洞察力に驚嘆。
 なぜ少子化が進むのか。子供を虐待する親がいるのか。現代的関心のある方、どうぞご一読ください。

オススメ度

古い小説ですし、そんなに長くもありませんが、圧倒される読後感でした。
帝政ロシアのエリート官吏が、ふとしたことで原因不明の病を得て、まだ若いのに死んでゆく。死に瀕した彼の恐怖・悩み・苦しみは、家族も誰も理解してくれない……「私は死んでゆくのに、世界は私に気づいてくれない」と叫びたくなるような、この断絶感は、帝政ロシアであろうが現代の日本であろうが何千年前であろうが変わらない。怖い小説でした。最期にちょっと救われますが、徐々に死んでゆく主人公イワンの心理描写は全編ホラーでしたよ。

怖いものを読みたい方、おすすめです。ただし、単なるホラーではありません。ガーンとした読後感がもれなく付いてきますので、そのつもりで。ソリッドな恐怖、死への畏敬、日常の安心感といったものがぐらつく瞬間に、なんと文庫本を読むだけでアクセスできます。


このページの情報は
2006年12月25日16時43分
時点のものです。

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