オススメ度 |
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老子の訳書を読むのはこの本で5・6冊目くらいです。今読んでいる途中です。
この本はかなり優しい訳になっていると思います。カッコでくくって言葉の補助を行なうなど、なるべく分かりやすいように書かれています。ビギナーズ・・・とありますから初心者も多いかと思います。
老子は儒教批判をしていますが、現代にとってそれが正しいとは言えないものなどもあります。「大道廃れて仁義あり」などの様なものですが、人間は弱肉強食でトップにいる生き物なので、もとより大道など無いのです・・・。そういった所を良く考えて読むようにした方が良いと思います。
老荘思想は王墓などから発見されていますから、中国の歴史を学ぶ上で無視できない重要な書物です。儒教の反動で出来た様なものです。儒教の始まりである孔子や弟子たちは諸国を放浪して政治になんとしても関わろうとするものですが、老荘思想の場合、そんな無駄なことは止めておけ、どうせ無駄だ、といった感じです。そういう生き方はもっと昔でもありましたが、それでいて王墓から出土するのですからね。
ほんとに古典のビギナーなら「諸子百家」や「図解雑学・・・」など、わりあい専門的でないものから入った方が良いでしょう。多少でも予備知識があった方が分かりやすくなると思います。
で、この本は私も理解しやすいので☆☆☆☆☆にしておきます。