帝国主義論の紹介 : 現代語訳の本

帝国主義論

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定価 : ¥ 600
販売元 : 光文社
発売日 : 2006-10-12

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オススメ度

 一言でいうと、ひどい。

 わかりやすく翻訳するという名のもとに、まったく不正確な翻訳がなされている。たとえば、一七四頁で金融資本の定義がなされている――「金融資本は銀行資本である」。もちろん、「金融資本は、産業の独占体と融合した銀行資本である」でなければならない。また一七五頁には、「帝国主義とは、特殊な発展段階に達した資本主義のことである」とある。これが帝国主義の定義だとでもいうのか?

 限定用法の関係代名詞まですべて叙述用法であるかのように上から下に訳し下ろし、しかもそのさい文章を二つにぶった切るという「法則」にもとづいて訳したので、このような訳文になってしまったのだ。

 解説もひどい。本書の歴史的位置付けや理論的意義をほとんど語らず、いきなりカウツキーに対するレーニンの悪口のひどさについて書き、そしてほとんどその話で終始している。

 訳注もいいかげん。たとえば、二八頁に、第二インターナショナルについて「指導者エンゲルスが一八九五年に亡くなると、組織の指導権は、いわゆる日和見主義者(修正主義者)が握った」とある。 エンゲルス死後も、第二インターナショナルの指導権は、ベルンシュタインを中心とする修正主義者ではなく、カウツキー、ベーベルを中心とする正統派が握りつづけた。修正主義者は第二インターナショナルの中で厳しい批判にさらされた。だからこそ、レーニンは一九一四年八月までカウツキーを信頼しつづけたのである。

 年譜もぞんざい。とくにひどいのは、新経済政策への転換を一九二〇年三月だとしていることだ! もちろん、ネップへの転換は一九二一年三月だ。

 マルクス主義についても、ロシア革命の歴史についても、ほとんど何も知らない人間が翻訳し解説を書き、訳注と年譜を書いたわけである。

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 さて、光文社もなかなか良い企画を企ててくれています。まさか「帝国主義論」を復刊させるとは。これまで色々な人が訳していますが、今回の訳は今までの概念に縛られないように工夫されています。訳文が正確かどうかは個人で判断していただくとして、読んでみると非常に読みやすいです。訳者はこれまでの「国家と革命」を訳しています。色々と訳本が出ることは良いことです。


このページの情報は
2006年12月25日16時43分
時点のものです。

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