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間違いなく初心者用です。極力疑わしい所を排してあるので、ある程度知識がある人にとってはくだらなく思えるかもしれません。実際、論語に関する本にはもっと「面白い」内容の部分がたくさんあります。しかし、真実を追究するとこの本は極めて誠実で優しく親切であるといえます。 一般に、人が言ったり書いたりする物は、その人が知らず知らず自分の内面にある思いがそこに出てきます。まして古典となると、現代の常識では変だと思うこともたくさんあるでしょう。この本はそういった点をなるべく書かないようにしているようですが、その事を暗に示そうとしているように思える部分があります。
中学生なら辞典の引き方を知っているでしょうから、疑わしい所は調べて正しく理解するようにした方が良いでしょう。本を読むときは、まず間違いなくそういう事をしなくてはなりません。あまり良く理解出来ないなら、何度も読み返すべきでしょう。論語は政治論を扱っていますが、私たちは今、主権者です。ならばこの本(論語)から学ぶことも多いはずです。この本を読もうとするなら、きちんと理解をして、いい加減に読まないで欲しいと思います。もちろん完璧に知り尽くすことも出来ませんが・・・。
年齢に関係なく、論語と孔子に関して知りたいと思う人なら、この本は極めて質の高い良書です。
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「中学生に語りかける気持ちで・・・」
「しかし、それは程度を落とすという意味ではない・・・」
「程度の差はなく真実はひとつである・・・」
著者はこの視点で、執筆をしたそうです。
第一部は孔子の生涯を、第二部に論語のことば、
巻末には「論語」から生まれた有名な言葉や、
ことわざについてまとめてられています。
「論語」「孔子」のエッセンスを凝縮した内容。
文庫本でもあり、気楽に[論語]に入門できる良書です。
漢字が苦手な人もOKです。(私!)
書き下し文には、全てルビが入っています。
今まで「論語」は面白そうだけど・・・
と、躊躇していた人にもお薦めですよ!
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世界で長い間、聖書と伴に読み継がれてきた『論語』。中国や朝鮮半島、日本など東北アジアで広がり中国の古典として愛されている。本書はその論語を初めて学ぶ人に向けた本。筆者によると孫が中学生になったときに読める本をと気持ちをこめて書いたらしい。そのため、非常に分かりやすく楽しみながら学べる。第一部では論語の基盤となる孔子の一生について、第二章では論語の言葉をピックアップして解説も含めて原文と比較し解説している。
本書を読むと孔子は偉大な教育者であったという印象を受ける。30代で塾を開き、50代で魯を旅立ち、70代で学校を開いた。50代から始めた旅行には多くの弟子がお供したので、その間にも教育が行われたという。孔子が行う教育とは知識だけの知識人を育てるのではなく知識と道徳を併せ持つ教養人の育成だった。すなわち、人間性の教育が孔子の教育であった。その考えを基盤として『論語』が弟子たちによって作成されたのだろう。
孔子の教えは歴史を超えて普遍性をもつものが多く、本書を読むことをきっかけとして孔子や論語、儒教をさらに学びたいと思う人々が増えるように思われる。そして『論語』が愛され読み継がれてきた理由がおのずと理解できた。
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中国哲学会重鎮である加地先生の書き下ろし文庫本です。書店で見てすぐに購入しましたが、期待に違わず読みやすく、分かりやすい本です。
この本は加地先生が自分の孫がやがて中学生になったときに読んでほしいとの気持ちから、対象層を中高生向けに定めていますが、大人も勿論楽しめます。幻の名著『漢文法基礎』の著者と言われる加地先生。既に69歳となられたようですが、旺盛な筆力に、今後の著作も楽しみです。